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研究と報告
精神分裂病者の自殺(後編)—病識のない病者の自殺
Selbstrnord bei den Schizophrenien (2)
梶谷 哲男
1
T. Kajitani
1
1中央鉄道病院神経科
1Aus der neuropsychiatrischen Klinik, Zentrales Hospital der japanlschen Natlonaleisenbahn.
pp.137-140
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200805
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I.はしがき
分裂病者の自殺は病識のない場合が圧倒的に多い。一般に,分裂病者は病識がなく,いわゆる狂人(Wahnsinn)であるがゆえに自殺すると考えられている。病型別に見れば,妄想型が多いことはHoff u. Ringel,Jantzなど多くの研究家から主張されている。しかし,他の病型にもまつたくないわけではなく,Jantzは,緊張病者の自殺は無計画で残忍,破瓜病者の自殺企図には一定の型がないことを特徴としていると述べている。また,Banenは病院馴化を起こした慢性精神病者にも,自殺を認めている。
これらの場合にも,比較的統合された人格と,清明な意識のもとである程度意図され,計画され決意された自殺と,人格の解体,意識の混濁(不安,興奮にもとづく二次的なもの)を背景に,まつたく無目的に行なわれた場合の二つが分けられる。
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