Japanese
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研究と報告
Ethosuximide(Epileo)による小発作てんかんの治療—とくに抗てんかん剤効果判定規準(試案)にもとづく臨床効果の検討
Treatment of Petit Mal Epilepsy with Etho-suximide
平井 富雄
1
,
安藤 信義
1
,
直居 卓
2
,
井上 令一
2
,
渡辺 博
2
T. Hirai
1
,
N. Ando
1
,
T. Naoi
2
,
R Inoue
2
,
H. Watanabe
2
1東京大学医学部小石川分院精神神経学教室
2順天堂大学医学部精神神経学教室
1Dept. of Neuro-psychiat., Koishikawa Branch Hospital, School of Med., Tokyo Univ.
2Dept. of Neuro-psychiat., School of Med., Juntendo Univ.
pp.142-151
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200806
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I.はじめに
多くの抗てんかん剤の開発が進むにつれ,こんにちでは,てんかんの治療—とくに発作抑制—がかなり容易になつたことは否定できない。しかしなお既存の治療剤をいかにうまく配合しても発作抑制の十分でない,いわゆる難治症例のあることも事実である。とくに発作回数の多い小発作(欠神発作,ミオクローヌス発作など),BNSけいれんなどに対しては,従来の薬剤で十分な治療効果が達成されない場合も,臨床実地上しばしば経験されるところである。
これら発作に対しては,trimethadione,acetazolamide,chloroquine剤などが使用され,またBNSけいれんに対するACTH,cortisoneなどのホルモン療法もこころみられている。しかし多くのくふうにもかかわらず,小発作群の発作抑制は,なお困難な現状にあるといわざるをえない。したがつて,かかる頻発する発称を抑制する薬剤の発見が,臨床上強く望まれるのは当然である。
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