Japanese
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研究と報告
α-(p-Aminophenyl)-α-ethyl-glutarimide(Elipten)のてんかんに対する効果
The anti-epileptic effects of α-(p-Aminophenyl)-α-ethyl-glutarimide
田椽 修治
1
,
後藤 蓉子
1
,
新井 進
1
,
関場 一恵
1
,
成田 四郎
1
S. Taen
1
1東京大学精神医学教室
1Tokyo University, Neuropsychiatric Department
pp.381-386
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200562
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Ⅰ.緒言
Glutarimideは,強力な抗けいれん作用をもつPhenobarbitalの母体であるBarbitur酸に類縁の構造をもつている。最近,Ciba製薬会社において,新たにGlutarimideの1誘導体がつくられた。すなわち,α-(p-Aminophenyl)-α-ethyl-glutarimideであって,Eliptenとよばれる。
Eliptenの出現前までは,臨床的にひろく用いられたおもなGlutarimideは,催眠・鎮離・鎮痙作用をもつGlutethimide(Doriden)と,これとは反対に中枢興奮作用を示すBemigride(Megimide)との2種類のみであつた(第1図)。Phenobarbitalは鎮痙作用は強いが,他面催眠作用が強力なために,精神作業の遅鈍化を免れない。そこで,てんかんの性格偏倚のうち後天的なものに関しては,てんかん発作の頻発とならんで服薬治療の長期過大であることも,その重大な成因であるとさえ論じられているほどである。また,Doridenは,抗けいれん作用とともに鎮静作用をももつのでてんかん発作とてんかん性性格変化に好影響を与えるであろうと期待されたが,惜しいことに薬用量ですでに強い催眠作用を示すので昼間の投与には不適である。
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