Japanese
English
研究と報告
失語における言葉の聴覚的把握について
On the Process of Auditory Perception of Words in Aphasia
後藤 弘
1
H. Goto
1
1日本大学医学部神経科教室
1Neuropsychiatric Dept., Nihon Univ. School of Med.
pp.363-368
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200559
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I.序言
言葉の理解の障害は失語の重要な症状のひとつであり,古くはLiepmannやPickの言語理解の過程に関する内省心理学的な考察があり1)2),近ごろでは「機能変遷」の見地から感覚生理学的方法を用いた研究もあるが3),失語の他の研究領域に比較しては業績の数も少ないようである。失語のあらゆる側面は,すでに研究しつくされた観があるが,この言語理解の面については,方法上の困難さもあつて,なお研究の余地が残されていると思われる。
私は,かねて文字や言葉の理解のような言語の受容的側面と発語運動との関係について関心をもち,その立場から二,三の小実験を行ない,その1部(文字理解に関するもの)をすでに発表したが4),今回は,言葉の聴覚的把握について報告し,批判を仰ぎたい。
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