Japanese
English
研究と報告
Prochlorperazineの荒廃型精神分裂病における使用経験
Clinical Experiences with Prochlorperazine on deteriorated Schizophrenia
小木 貞孝
1
,
高野 敬太郎
2
,
塚本 金助
3
S. KOGI
1
,
K. TAKANO
2
,
K. TSUKAMOTO
3
1東京大学医学部精神医学教室
2東京慈恵会医科大学精神神経科教室
3医療法人欣助会吉祥寺病院
1Dept.of Psychiatry Division of Medical Psychology, Institute of Brain Research University of Tokyo.
2Dept.of Neuro-Psychiatry, Tokyo Jikeikai School of Medecine
3Kichijoji Mental Hospital
pp.67-74
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200521
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I.まえがき
Prochlorperazine:3-chlor-10〔3-(1-methyl-4piperazinyl)-propyl〕-phenothiazineの臨床的応用,ことに精神分裂病の治療効果についての報告はいままでにもかなり行なわれてきた。しかしながら,わが国の文献では一般に投与期間が短かく,1月からせいぜい3カ月程度の使用経験であつたり1)2)4)5)6),また投与期間が長くとも他の薬剤との併用療法であつたり8)するし,外国の文献では使用量が不必要に大量でしたがつて副作用が誇大視されている傾向があるようだ。さらに,わが国では副作用を重視したためか,Prochlorperazineの少量(平均30mg)の投与が推奨され,主として神経症・悪心・嘔吐に有効な薬剤として用いられてきた傾向もある。
そこでわれわれは,Prochlorperazineの精神分裂病への効果を整理してみることを思いたち,少量の長期投与を行なつてきた。そして投与期間が臨床効果にとつて重要な意義をもつこと,荒廃型分裂病者の意欲面の興味ある変化が作業療法の施行を容易にさせたこと,不快な副作用が少なかつたことなどを見出したので,ここに報告する次第である。
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