Japanese
English
研究と報告
PERPHENAZINEおよびPROCHLORPERAZINEによる精神疾患の治療
The Treatment of Psychiatric Patients with PERPHENAZINE and PROCHLORPERAZINE
諏訪 望
1
,
森田 昭之助
1
,
黒田 知篤
1
,
石戸 政昭
1
,
本間 均
1
,
小林 義康
1
N. SUWA
1
,
S. MORITA
1
,
T. KURODA
1
,
M. ISHIDO
1
,
H. HOMMA
1
,
Y. KOBAYASHI
1
1北海道大学医学部精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Hokkaido University School of Medicine
pp.241-247
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200079
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Ⅰ.緒言
1952年にJ. Delayらによって,Chlorpromazineが精神疾患の治療に有効であることが確かめられて以来,精神疾患の薬物療法は急速に発展し,数多くの薬物が登場した。ことにPhenothiazine誘導体に関しては次々と新しい薬剤がつくりだされ治療に提供されている。本稿ではそのうちのPerphenazineとProchlorperazineとについて,その使用経験を臨床精神病理学的立場から検討し,とくにChlorpromazineとReserpineとの比較を行いながら,これらの薬物の精神疾患治療上の位置を確かめてみたいと思う。
化学構造式の上では,PerphenazineとProchlorperazineとはピペラジン核につくエタノール基とメチル基のちがいだけであり(第1図),動物実験では,Chlorpromazineに比して毒性はPerphenazineでは1/2,Prochlorperazineでは1/3でありながら,鎮静作用は前者では3-8倍,後者では1/2で,共に強力な鎮吐作用をもつといわれている。
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