Japanese
English
研究と報告
ハイミナールを中心とした各種眠剤の臨床的比較および生理学的,精神薬理学的考察
Clinical Comparison and Physiological and Psychopharmacological Considerations of Sleep Drugs, mainly Hyminal.
根本 清治
1
S. Nemoto
1
1東北大学医学部精神医学教室
1Dept.of Psychiat., Univ. of Tohoku, School of Med.
pp.57-64
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200520
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I.緒言
精神科領域においてもつとも多く経験される症状の1つとして睡眠障害がある。それに対して従来,バルビツレイト,およびモノウレド系の眠剤が使用されていたのであるが,これらの眠剤は効果は的確であるが,種々の好ましからざる副作用たとえば,習慣性,呼吸抑制作用,催眠前の発揚作用,覚醒後に眠気や頭痛などが残ること,およびアレルギーを示すことなどがあり,理想的眠剤というにはほど遠い感があつた。近年理想的眠剤を求めて研究がなされ,その結果新しい非バルビツレイトが賞用されるようになつた。ここに報告するハイミナールもその1つである。
本剤は1955年Gujralらにより合成抗マラリヤ薬研究中に,Quinazolone-4の誘導体が催眠作用をもつていることが見出され,そのうちもつとも催眠作用をもつているものは,methyl-2 ortho-tholyl-3 Quinazolone-4であることが判明した。ついでBoissierらもこの種誘導体のうち,もつとも効力の強いものがGujralの報告に一致していることを確認した。
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