Japanese
English
研究と報告
PZ 1511の精神分裂病に対する使用経験
Clinical Experience of PZ 1511 on Schizophrenia.
山口 昭平
1
,
室伏 君士
1
,
鎌田 祐子
1
,
高橋 俊哉
1
,
間島 竹二郎
1
,
小河原 竜太郎
1
,
三橋 康夫
1
S. Yamaguchi
1
,
K. Murobushi
1
,
Y. Kamata
1
,
T. Takahashi
1
,
T. Majima
1
,
R. Ogawara
1
,
Y. Mihashi
1
1順天堂大学医学部精神神経科
1Dept. of Neuropsychiat, School of Med. Juntendo Univ.
pp.919-927
発行日 1965年10月15日
Published Date 1965/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200917
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I.はしがき
1952年,Delay, J. らによつてphenothiazine誘導体を初めとし,種々の向精神薬が開発され精神科領域の治療に導入されて以来,薬物療法が内囚性精神病に対して大きな治療効果をおさめていることは,よく知られている。しかし,精神分裂病,とくに陳旧性病像のものや欠陥分裂病に対する薬物療法の効果については十分なものは少なく,かれらをしてすすんで作業療法やレクリエーション療法に積極的に有効に参加させ,または社会生活面における活動におもむかしめるためには,各種の向精神薬をもつとしても十分な成果をあげているということはできない。
吉富製薬K. Kの開発した新薬PZ 1511は,これらの陳旧性の分裂病像に対し興味ある若干の知見を示しているので,その治療効果を見るという見地よりも,興味ある病像の変化に着目してわれわれの経験を報告する。PZ 1511の構造式は第1図のごとく抗うつ剤imipramineの核にDipiperone側鎖をもち,その薬理学的作用はほぼimipramine様の作用を有し,その毒性は弱いといわれている。
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