特集 非定型内因性精神病
非定型精神病の臨床脳波学的研究
佐藤 時治郎
1
1東北大学医学部精神医学教室
pp.977-992
発行日 1961年12月15日
Published Date 1961/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200396
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内因性精神病の病態生理学的研究法の1つとしてBerger以来,多くの臨床脳波学的研究が行なわれてきたが,臨床上,分裂病圏にも,躁うつ病圏にも属せしめにくい,非定型症状と経過を示す1群の内因性精神病の脳波異常性について最近注目されるようになつてきた1)2)3)4)。
これまで,内因性精神病脳波について,おびただしい報告がなされてきたが,Berger5)6)7)と同様に,これらの脳波所見に格別の異常性を見出すことができず,正常脳波と区別しえないとする意見8)9)10)や,異常性をある程度認めても,それに病的意義を見出しえないとする意見11)12)のくりかえし主張された反面,しだいにその異常性を問題にする人が多くなり,種々の病的所見が報告されるにいたつた。
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