Japanese
English
研究と報告
精神病者の放弄火に関する研究
A Study on Fire-raising and Playing-with-fire of Psychotics
広瀬 伸男
1,2
,
飯田 康雄
1,2
,
山口 弘三
1,2
,
岩崎 敏夫
1,2
,
緑川 澄子
1,2
N. Hirose
1,2
,
Y. Iida
1,2
,
K. Yamaguchi
1,2
,
T. Iwasaki
1,2
,
S. Midorikawa
1,2
1名古屋市立大学医学部精神神経科教室
2一ノ草病院
1Dept. of Psychiatry and Neurology, Nagoya City University School of Medicine
2Ichinokusa Mental Hospital
pp.831-835
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200377
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1.まえがき
放弄火についての精神医学的業績は少なくないがFisher, O.,1932;1933のいう「病的放火」の研究は乏しい。ここに近ごろ私どものえた病的放火ことに精神病者の放弄火について,2,3の知見を報告する。
対象とした「放火」とは,火を使い財物などを焼く行為を単にさしてその行為者に刑法上の公共の危険の認識いかんを問わず,また消火義務あるものの消火拒否のような不作為行為を含まず,「弄火」とは非合目的な火の濫用で火そのものに有意義性があると考えられる火のもて遊びをさすこととし,あえて区別して比較検討した。しかしながら精神病者という性質から一面において刑法上の放火と失火とを区別することは至難である。
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