同人放談
放文放筆
山村 博三
1
1関西医大
pp.1237
発行日 1959年12月10日
Published Date 1959/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202109
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○放談——念のために漢和辞典でその意味を調べてみると「口から出まかせのはなし・言いたいほうだいに言う。放言に同じ」となつている。責任をもたなくてよい,おしやべりであるから気が「楽である。放談・放言があつたので,ついでに「言いたいほうだいに書く」とか「出まかせに書く」とか言う様な責任無しに書くという意味の言葉,たとえば放筆・放文・放書というような言葉があるだろうかと捜してみたが,残念ながら見出せなかつた。少し似たものに「放胆文」というのが出ていた。即ち,文法字句などに余り拘泥せず,大胆に書いた文章の意で,これではその内容に責任を持つことになり,自分が捜しているのとは違つてしまう。それで言葉が無いという事は,そういう表現をする事実があまり存在ないという事を意味するものと解釈するならば,書いた場合には,すべて筆者に責任があるという事になる。自分白身で書いた場合は勿論責任があるだろう。しかし「口から出まかせ,責任のない」放談を他人が書きとめて,それを活字にした場合の責任はどうなるのだろう。無責任なことを言ったという責任は問われるだろうけれど。
部長会議で一卒業生Aが厚教育を受けるためB科へ見学生として許可してほしいとの申出を如何にするかが問題になつた。というのは,Aは卒業後,某政党の党員(?)として党機関の経営する病院に勤務していたからである。
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