ナースのためのヘルスサイコロジー講座・4
病者行動と病者役割行動
五十嵐 透子
1
1金沢大学医学部保健学科
pp.364-368
発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903715
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2つの行動パターン
人が病気である場合は,2種類の行動パターンがあります(Kasl & Cobb, 1966)1,2).病者行動(illness behavior)と病者役割行動(sick role behavior)です.
病者行動は,なんらかの不調や問題を抱き,健康状態を確認し,適切な対応方法を得ようとする行動で,休息をとったり受診をしたり家にある薬を内服する行動です.目的は,健康状態がどのようになっているのかを調べたり,回復しようとすることです.また,何も症状がなくても,早期発見のために,あるいは職場の定期検診で健康状態をチェックするヘルス・プロモーション的行動もあります.これは,「病気になりたくない,早く見つけて軽いうちに治してもらいたい」という思いからなされるものという見方ができ,適切な対応方法をとるという視点から病者行動のひとつに含むことができます.
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