Japanese
English
研究と報告
フェニルケトン尿症の臨床脳波学的研究
A Study of clinical EEG in Phenylketonuria
中根 晃
1,2
,
石島 徳太郎
1
1都立梅ヶ丘病院
2東京医科歯科大学神経精神医学教室
pp.207-212
発行日 1961年3月15日
Published Date 1961/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200310
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まえおき
フェニルケトン尿症はいうまでもなくスエーデンのA. Fφlling1)によつて初めて記載された精神薄弱の特殊型である。わが国では台および斎藤2)によつて1951年に報告され,ついで小林(提)3)や植田4)によつて記載されている。また,田中5)6)は人類遺伝学の立場から調査をしていて,これらをあわせると21例がわが国で発見されたとのべている。
この型の精神薄弱は,尿にフェニル焦性ブドー酸そのほかが多量に排泄される遺伝性の疾患で,その本質はフェニルアラニン代謝の障害であるとされる。また,現在では潜在性の遺伝因子を調べる方法8)も知られている。こういつた点から,本症についての生化学的,あるいは遺伝生化学的研究が非常にさかんであることは当然であろう。一方脳波学的研究はそれほど多くなく,Fois9)およびLow10)が本症の脳波所見に注目しているにすぎない。
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