講座
フェニルケトン尿症—その臨床検査と診断
森山 豊
1
Yutaka Moriyama
1
1東芝中央病院
pp.284-285
発行日 1966年4月10日
Published Date 1966/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203459
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I.フェニルケトン尿症について
フェニルケトン尿症phenylketonuriaは1934年ノールウエのFöllingによつてはじめて記載され,次いでJervisは本症が常染色体の劣性遺伝型式で伝わり,患者体内には多量のフェニルアラニンが蓄積していることを明かにした。
本症は先天性代謝異常inborn errors of meta—bolismの一つで,精神薄弱の一因である。本症は必須アミノ酸の一つであるフェニルアランからチロジンへの酸化を促す酵素であるフェニルアラニンハイドロキシラーゼphenylalanine hydro—xylaseの先天的欠除のため,フェニルアラニンが血中に増加して正常の数十倍となり,脳脊髄液にも増加し,脳神経系を障害して精神薄弱となる(フェニル焦性ブドウ酸性白痴phenyl pyruvicoligophrenia).
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