Japanese
English
研究と報告
MAO阻害剤の臨床経験—CatronとMarsilid
Clinlcal experiences of MAO inhibitors: Catron and Marsllid
森 温理
1
,
飯島 泰彦
1
,
矢吹 賀江
1
A. MORI
1
,
Y, IIJIMA
1
,
Y. YABUKI
1
1東邦大学精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Toho University School of Medicine
pp.199-205
発行日 1961年3月15日
Published Date 1961/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200309
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はしがき
モノアミン酸化酵素(Monoamine oxidase,MAO)阻害剤の登場は,うつ病の薬物療法において画期的な出来事の一つである。本剤が精神薬理学の面からみて新しい思考と事実とにもとづいていること,ほかの向精神薬と比べていつそう豊かな神経化学的アプローチを可能にすることなどはわれわれを深い興味に誘う点である。また臨床的観点からみても,本剤が精神賦活剤において占める位置は,フェノチアジン系薬物が精神安定剤において占めるそれに比較することができるといつて過言ではない。
佐野1)によれば,MAO阻害剤はヒドラジン誘導体,1-アミノ酸のヒドラジッド誘導体および拮抗的MAO阻害剤とに分けることができるといわれるが,現在,臨床上に用いられているMAO阻害剤の多くはヒドラジン誘導体である(第1図)。
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