Japanese
English
研究と報告
インシュリンショック治療におけるグルタミン酸ソーダ覚醒法
Studies on a waking method by sodium glutamate in insuline shock therapy
和田 豊治
1
,
田中 善立
1
,
桜田 高
1
T. WADA
1
,
Y. TANAKA
1
,
T. SAKURADA
1
1弘前大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Hirosaki University School of Medicine
pp.235-239
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200078
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
いとぐち
最近,大脳生化学的研究の一環としてグルタミン酸の脳内における作用,あるいはその代謝機能の問題が注目をあびている。すでにわが国でも,殊に神経精神科領域に多くの実験的研究がなされているが,しかしその知見に基づいて臨床応用の域にまで進展しているのは少ない。
グルタミン酸1)はアミノ化あるいはアミノ基転移の窒素源でありアミノ酸形成の出発点となるし,また蛋白分子形成とその分解とに非常に重要であるとされている。一方グルタミン酸の脳内含有度は他の臓器内のそれよりは極めて高く2)(脳内に保有されているアミノ酸のなかでグルタミンおよびグルタミン酸は遊離d-アミノ窒素の80%に達するといわれている),したがってグルタミン酸が脳内でも合成されることは疑いをいれないことである。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.