Japanese
English
特集 統合失調症の予後改善に向けての新たな戦略
早期介入による予後改善―DUP短縮に向けて
Early Intervention for Achieving Better Outcome: Reduction of the DUP
小林 啓之
1
,
水野 雅文
2
Hiroyuki KOBAYASHI
1
,
Masafumi MIZUNO
2
1ケンブリッジ大学精神医学部門
2東邦大学医学部精神神経医学講座
1Department of Psychiatry, University of Cambridge, Cambridge, U.K.
2Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Toho University
キーワード:
Early intervention
,
DUP
,
Duration of Untreated Psychosis
,
Prognosis
,
Schizophrenia
,
Psychosis
Keyword:
Early intervention
,
DUP
,
Duration of Untreated Psychosis
,
Prognosis
,
Schizophrenia
,
Psychosis
pp.137-142
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101788
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はじめに
統合失調症の経過は一様ではなく,その転帰は治療以外のいくつかの要因によっても左右される。発症年齢や性別,居住環境などがそうした転帰予測因子として知られるが,その多くはすでに定まったものであり,介入によって変えることは難しい。一方で精神病未治療期間(Duration of Untreated Psychosis;以下DUP)は,数少ない修正可能な転帰予測因子の1つであり,その点において介入の対象となり得る。早期介入は主としてこのDUPの短縮,さらには発症前からの介入によって,長期的な予後改善を目指すものであるということができる。
本章では統合失調症の早期介入,特にDUP短縮に向けた取り組みに焦点を当て,実際に早期介入が長期的な予後を改善し得るか,その可能性について論じてみたい。
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