Japanese
English
特集 精神疾患に対する早期介入の現状と将来
統合失調症に対する早期介入
Overview of Early Intervention in Schizophrenia
松本 和紀
1
,
宮腰 哲生
2
,
伊藤 文晃
2
,
内田 知宏
3
,
鈴木 健
4
,
大野 高志
4
Kazunori MATSUMOTO
1
,
Tetsuo MIYAKOSHI
2
,
Fumiaki ITO
2
,
Tomohiro UCHIDA
3
,
Takeshi SUZUKI
4
,
Takashi ONO
4
1東北大学病院精神科
2東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野
3東北大学大学院教育学研究科臨床心理学分野
4宮城県立精神医療センター
1Department of Psychiatry, Tohoku University Hospital, Sendai, Japan
2Department of Psychiatry, Tohoku University Graduate School of Medicine
3Division of Clinical Psychology, Graduate School of Education, Tohoku University
4Miyagi Psychiatric Center
キーワード:
Early intervention
,
Early psychosis
,
Schizophrenia
,
At-risk mental state
Keyword:
Early intervention
,
Early psychosis
,
Schizophrenia
,
At-risk mental state
pp.227-235
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101165
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はじめに
統合失調症の早期介入についての実践的な活動は,海外では1990年代頃から徐々に始まり,この10年間にめざましい発展を遂げた。わが国でも統合失調症の早期介入の必要性は早くから指摘されてきたが,残念ながらこれに対応する実践は一部にとどまり,この領域は海外から大きな遅れをとっている。WHOと国際早期精神病協会(International Early Psychosis Association;IEPA)は,2004年に共同で早期精神病宣言を発表し,統合失調症を含む精神病に対する早期介入を発展させるための具体的な勧告を出した2)(表)。本邦でもこのような国際的な動向に応じ,早期介入についての具体的なビジョンを打ち出す必要性が高まっている。本論では,海外での事例を参考に,統合失調症の早期介入に向けた実践的な活動を概観してみたい。図1は,海外の先進地域での早期介入を参考にして作成した精神病の早期介入サービスのモデルである。
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