特集 アンチスティグマ活動の新しい転機Ⅰ
スピーカーズビューローによる精神障害のアンチスティグマ活動の実践報告
菅原 里江
1,2
,
中鉢 皓大
2
,
佐藤 光源
2,3,4
Rie SUGAWARA
1,2
,
Kouta CHUBACHI
2
,
Mitsumoto SATO
2,3,4
1東北福祉大学総合福祉学部
2仙台市メンタルヘルス プロモーションセンター
3東北大学
4医療法人有恒会こだまホスピタル
1Department of Social Welfare, Tohoku Fukushi University, Sendai, Japan
2The Sendai Speakers Bureau
3Tohoku University
4Kodama Hospital
キーワード:
Mental disorder
,
Anti-stigma
,
Speakers bureau
,
Recovery
Keyword:
Mental disorder
,
Anti-stigma
,
Speakers bureau
,
Recovery
pp.955-959
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102572
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
精神症状の消失と社会的機能の改善,さらにリカバリーを目指した精神科医療が行われているが5),それを阻む大きな要因に精神障害に対するスティグマがある2)。2004年からの「精神保健医療福祉の改革ビジョン」でも国民意識変革のための適正な知識の普及啓発が3本柱の1つであるが,新たな目標の設定とその推進が課題とされている1)。日本では精神分裂病の病名が変わり,社会に説明する疾病概念も現実的なコンセプトに刷新されたが,それも社会参加や自立を阻むスティグマの解消を目指したものである3)。多要因からなるスティグマの解消に向けてさまざまな活動が行われているが,知識の適正化よりも,むしろ当事者との接触体験が内外で効果的な方法と考えられている。
ここでは単なる接触体験を超えて,仙台市が取り組んできた当事者自身による普及啓発活動4)を紹介し,それが社会的スティグマとともにセルフスティグマの改善にも有用であることを報告する。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.