書評
Kaplan & Sadock's Comprehensive Textbook of Psychiatry, 8th edition
越野 好文
1
1金沢大学大学院 脳情報病態学(神経精神医学)
pp.811
発行日 2005年7月15日
Published Date 2005/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102490
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アメリカ精神医学には,FreedmanとKaplanらが,精神医学と行動科学の教育を促進することを目的に開発した総合的な教育システムがある。精神医学の専門的な能力を育て,精神疾患を有する人々に対する最高のケアを保証することをゴールとしている。システムの頂点に位置するのが,1967年に初版が刊行されたComprehensive Textbook of Psychiatryである。
精神医学の進展に合わせて改訂を繰り返し,現在では精神医学の知識を百科事典的に概説した宝庫に成長し,“壁のない大学”と呼ばれる。信頼性は高く,我々の研究会の討論では「カプランに書いてある」との一言で皆が納得する。このたびわずか4年で改訂された第8版は,半数以上の執筆者が交代し,50以上の新しい項目が書き加えられ,前版より700頁以上紙数が増えた。従来からの項目も新しい視点で書き直され,時代にマッチした生き生きとした教科書として登場した。
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