巻頭言
Liaison Psychiatry
加藤 伸勝
1
1京都府立医科大学精神医学教室
pp.202-203
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202587
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一昨々年の夏,New YorkのMount Sinai Hospitalの精神科医Dr. Samuel, F. Tabbat氏が約1カ月京都に滞在された。同氏はNew York市立大学の客員教授も兼任しているとのことで,教育のことにも熱心で,早朝から,われわれの教室にやってきて,回診にも一緒に付いて回られた。神経病の患者を診るときは,勝手が違うらしく,意見も出なかったが,精神病棟に入ると水を得た魚のようにポンポンと質問が来る。また,当方の見方の甘さ,特に精神力動的な見方の不足には苦言を頂戴したりもした。滞在中には,森田療法を知りたいということで,京都では三聖病院の宇佐先生の処にも数回足を運ばれ,その熱意には敬服させられた。
彼の話の中にしばしばliaison psychiatryという私にはききなれない用語が飛び出すので戸惑ったが,一夕,“Recent trends in American psychiatry”という講演をきくに及んで,liaison psychiatryなるものについて概略を知ることができた。しかし,英語の不得手な私には,細部にわたっての理解はできないままで終わってしまった。既に3年経過するが,彼が残してくれた二・三の文献を折りにふれ読むうちに最近になって,成程と思うようになった。
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