書評
精神科 必須薬を探る
田辺 英
1
1財団法人神経研究所附属晴和病院
pp.809
発行日 2005年7月15日
Published Date 2005/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102489
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精神科臨床で最初に覚えるべき薬は何か。研修医に質問されて返答に困ったことがある。少ないと十分ではないし,多すぎても使いこなせない。特にここ数年新しい向精神薬が登場し,治療の選択肢が増えた。臨床の幅が広がったのは確かだが,従来薬との使い分けなどは議論の最中と聞く。誰か膨大な情報を整理してくださらないか。そう思っていたところに必須薬という切り口で,精神科治療のエッセンスを1冊にした本が出版された。
題名の「探る」という言葉が,本書の性格をよく表している。まず,必須薬の条件が吟味される。それから具体的な薬が提案される。筆者らと必須薬を探っていくうちに,「本当に必要な向精神薬」とは何かを一緒に考えさせられる構成になっている。
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