巻頭言
リアルワールドに活かすPTSDのためのPE療法
飛鳥井 望
1
1公益財団法人東京都医学総合研究所
pp.766-767
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102240
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“America's heroes deserve nothing less than the best treatment available.”(Karlin BE, et al:J Trauma Stress 23:672, 2010).
これは米国復員軍人のPTSD患者のためにトラウマ焦点化認知行動療法を普及する標語のような一文だ。つまり彼らは米国の英雄として,利用しうる最善の治療を受けるに相応しいという意味である。実際に米国復員軍人局が最善の治療として普及を図ったのは,代表的なトラウマ焦点化認知行動療法である曝露療法としてのPE療法(Prolonged Exposure Therapy)と,曝露技法を含んだ認知処理療法(Cognitive Processing Therapy;CPT)である。PE療法に関しては,新たに約1,300人のセラピストを養成し,スーパーヴィジョンの体制が整えられた。さらには遠隔地患者への動画通信モニターによるPEセッション(Tele-Health Technology)や,“PE Coach”という名のスマートフォン利用プログラムの提供も試みられている。
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