書評
―福居顯二,井上和臣,河瀬雅紀 編―うつ病―知る,治す,防ぐ
切池 信夫
1
1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学
pp.95
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101562
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今,社会でうつ病が毎日どこかで話題になっている。何せ2020年には,多い10大疾患の第1位が心疾患,第2位にうつ病というWHOの予測があり,今後もますますの増加が見込まれている。さらに自殺者が年間3万人を下らない現況において,うつ病対策が急務の1つとなる。
このような状況を反映してか,うつ病に関する出版も多い。一般人を対象としたものから専門家まで,その内容はさまざまである。その中で本書は,精神科医をはじめ内科医,看護師や心理士,大学院の学生まで広範な読者層を対象に,うつ病の成因,診断,さまざまなうつ病の臨床像とその治療法,リハビリテーションや予防について明瞭簡潔でわかりやすく書かれ,バランスのとれたうつ病理解のための教科書となっている。京都府立医科大学の福居教授をはじめとして,同大の同門の先生方の日頃からのご努力の成果がここに結実している。
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