書評
―Joaquin M. Fuster 著,福居顯二 監訳―前頭前皮質(第3版)
前田 潔
1
1神戸大学大学院内科系講座精神医学分野
pp.775
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101026
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Joaquin M. Fuster 著,「前頭前皮質」前頭葉の解剖学,生理学,神経心理学が京都府立医科大学精神機能病態学老年期グループ訳,福居顯二教授監訳で新興医学出版社から2006年11月に発刊された。原典は1980年に第1版が,また第2版が1988年に刊行されている。著者は当初,前頭前皮質の運動制御に関して総説を書こうとしていろいろ調べているうちに,この領域の運動の実行に関連した機能は,認知に関連した領域に強く関係していることに気づき,この本の完成となったということである。
第2版の序では,第1版が出版されて後,前頭前皮質への関心はさらに高まった。これには基礎神経科学における進歩も大きい。さらに,統合失調症や認知症などがこの領域の障害と密接な関係にあると考えられるようになったことがその理由であると述べられている。第3版が1996年に刊行され,この訳書はそれに基づいたものである。第1版から第3版までの間に多くの関係論文が発表され,第3版では引用文献が第1版の2.5倍になっている。
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