Japanese
English
特集 成人期のアスペルガー症候群・Ⅰ
アスペルガー障害の司法事例にみられる社会的行動の混乱
Social Maladaptation and Torensic Problems in Adults with Asperger's Disorder
十一 元三
1
Motomi TOICHI
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系
1Clinical Cognitive Neuroscience, Human Health Science, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
Asperger's disorder
,
Pervasive developmental disorder
,
Delinquency
,
Crimes
Keyword:
Asperger's disorder
,
Pervasive developmental disorder
,
Delinquency
,
Crimes
pp.681-688
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101240
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はじめに
本稿のテーマは,広汎性発達障害の成人期における臨床的問題のうち,社会的問題行動について司法事例を通じて考察することにある。成人期にかかわる司法事例には,刑事事件の他,家庭裁判所の扱う家事事件があるが,ここでは取り上げていない。しかし,家事事件は広汎性発達障害の人が成人期以降の私的生活の場で生じる混乱の一形態をよく表しており,成人期の臨床的問題を考えるうえで活発に取り上げられるべきテーマである(家事事件については梅下7)による先駆的論考を参照)。
成人の刑事事件では,少年事件以上に,生育環境,障害の特性,二次的障害,合併症などが複合した背景を持ちやすく,ポイントが見えづらいことが多い。そのため,まず少年事件を通じて社会的問題行動の基本的パターンを整理し,それをもとに成人事例について検討した。
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