Japanese
English
特集 レビー小体型認知症をめぐって
レビー小体型認知症の分子病理学
Molecular Pathology of Dementia with Lewy Bodies
小山 信吾
1
,
岩坪 威
1
Shingo KOYAMA
1
,
Takeshi IWATSUBO
1
1東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室
1Department of Neuropathology and Neuroscience, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
Dementia with Lewy bodies
,
Parkinson's disease
,
α-synuclein
,
Lewy bodies
,
Aggregation
Keyword:
Dementia with Lewy bodies
,
Parkinson's disease
,
α-synuclein
,
Lewy bodies
,
Aggregation
pp.713-718
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101016
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)は進行性の認知症とパーキンソニズムを特徴とする神経変性疾患である。本症は,小阪らによりまずdiffuse Lewy body diseaseとして記載され,1996年にDLBとしてのガイドラインが制定され,国際的にも広く認知されるようになった14)。
パーキンソン病(PD)やDLBの多くは孤発性であるが,一部に家族性に遺伝する家系が存在する。常染色体優性遺伝形式を示す家族性PDやDLBの病因遺伝子としてα-synucleinが同定され,さらに孤発性のPDやDLBで観察されるLewy小体の主要構成成分がα-synucleinであることが明らかになるに至り,α-synucleinの蓄積と孤発性のPDや DLBの発症との関係が注目されるようになった。本稿ではα-synuclein遺伝子が家族性パーキンソン病の病因遺伝子として同定され,α-synucleinが孤発性PD,DLBの病態における鍵分子であると考えられるようになった経緯と,α-synucleinが病的効果を発揮するメカニズムについて,その凝集性に関する研究を中心に紹介する。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.