Japanese
English
特集 レビー小体型認知症をめぐって
レビー小体型認知症の精神症状・神経症状
Neuropsychiatric Symptoms of Patients with Dementia with Lewy Bodies
井関 栄三
1
Eizo ISEKI
1
1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター・精神医学
1Department of Psychiatry, Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Dementia with Lewy bodies
,
Cognitive decline
,
Fluctuating cognition
,
Visual hallucination
,
Parkinsonism
Keyword:
Dementia with Lewy bodies
,
Cognitive decline
,
Fluctuating cognition
,
Visual hallucination
,
Parkinsonism
pp.691-697
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101013
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はじめに
レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)は,1995年の国際ワークショップで初めて提唱された名称で,疾患概念とともに臨床・病理診断基準のガイドラインが作成された15)。DLBは,進行性の認知機能障害に加えて,特有の精神症状とパーキンソニズムを示す変性性認知症である。病理学的には,大脳と脳幹の神経細胞脱落とレビー小体の出現を特徴とする。びまん性レビー小体病(diffuse Lewy body disease;DLBD)12)を含むが,より幅の広い概念である。
発症年齢は,60~80歳代の初老期・老年期に多いが,40歳代など中年期にも稀ながらみられる。性差は少ないが,男性にやや多いとされている。多くは孤発性で家族歴を持つものは稀である。臨床診断による頻度は,認知症のうち10~30%と報告に幅がある。病理診断による頻度は,認知症の15~25%程度と報告されている。老年期の変性性認知症ではアルツハイマー型認知症(Alzheimer-type dementia;ATD)に次いで頻度が高い13)。
DLBは認知機能障害を主症状とする変性性認知症として定義されたが,パーキンソニズムを主症状とする神経変性疾患であるパーキンソン病 (Parkinson's disease;PD)でも,経過中かなりの頻度で認知機能障害が出現することが明らかとなり,認知症を伴うPD(Parkinson's disease with dementia;PDD)と呼ばれている。DLBとPDDは臨床・病理所見に共通性が多く15,17),両者の異同について論議がなされている。
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