Japanese
English
研究と報告
発作後精神病に伴い激しい自殺企図を認めた側頭葉てんかんの2例
Violent Suicidal Attempt Associated with Postictal Psychosis: A report of two cases
清水 研
1
,
加藤 昌明
2
,
岡崎 光俊
3
,
小林 由佳
3
,
大沼 悌一
2
Ken SHIMIZU
1
,
Masaaki KATO
2
,
Mitsutoshi OKAZAKI
3
,
Yuka KOBAYASHI
3
,
Teiichi ONUMA
2
1東京都立豊島病院精神科
2むさしの国分寺クリニック
3国立精神・神経センター武蔵病院精神科
1Department of Psychiatry, Tokyo Metropolitan Toshima General Hospital
2Musashino Kokubunji Clinic
3National Center of Nerology and Psychiatry, Musashi Hospital
キーワード:
Postictal psychosis
,
Suicide
,
Suicidal attempt
,
Violence
,
Epilepsy
Keyword:
Postictal psychosis
,
Suicide
,
Suicidal attempt
,
Violence
,
Epilepsy
pp.59-64
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100415
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録
てんかん患者の自殺のリスクは高く,さまざまな原因が関与していると思われるが,発作後精神病に関連した自殺も数多く報告されている。今回我々は,発作後精神病による幻覚妄想状態から激しい自殺企図に至り,運良く救命できた2例を経験した。患者自身が回復後に自殺企図時のことを回想し,体験した精神症状を語ってくれた。両症例とも,著しい情動の高まりを伴った独特の幻覚妄想状態から自殺企図に至っていた。てんかん関連の精神症状の中で,発作後精神病は悲劇的な結果に至る可能性が高く,注意が必要である。発作後精神病が出現するてんかん患者には,厳密な発作コントロール,ソーシャルサポート,抗精神病薬の投与の必要性が示唆される。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.