Japanese
English
装置と方法
マイクロ波ドプラセンサを用いた非接触非侵襲的心機図,大動脈脈波伝搬速度計測
Noncontact noninvasive measurement of mechanocardiography and pulse wave velocity by microwave Doppler sensor
三澤 利博
1
,
久津見 恭典
1
,
中井 継彦
1
,
宮保 進
1
,
浜田 敏彦
2
,
黒田 満彦
2
,
荒井 郁男
3
,
本村 和磨
3
,
鈴木 務
3
Toshihiro Misawa
1
,
Yasunori Kutsumi
1
,
Tsuguhiko Nakai
1
,
Susumu Miyabo
1
,
Toshihiko Hamada
2
,
Mitsuhiko Kuroda
2
,
Ikuo Arai
3
,
Kazuma Motomura
3
,
Tsutomu Suzuki
3
1福井医科大学第三内科
2福井医科大学中央検査部
3電気通信大学電子工学科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Fukui Medical School
2Department of Clinical Labolatory Medicine, Fukui Medical School
3Department of Electronics, University of Electro-Communications
pp.995-999
発行日 1990年10月15日
Published Date 1990/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404910027
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最近のマイクロ波を利用した宇宙,海洋のリモートセンシング技術の進歩はめざましいが生体計測への電波利用となると,まだ歴史が浅い。センサ技術の進歩により,患者にとってより侵襲の少ない生体信号検出が望まれており,その意味でマイクロ波による生体計測は,非侵襲的生体計測の有効な一手段として期待されている。マイクロ波はその波長領域の違いにより,生体とのかかわりは体表反射,体内反射,透過,熱雑音,吸収等の種類に分けられ1),例えば数GHzの波長域のマイクロ波は空気中をほとんど減衰することなく伝搬し,一方,生体表面の反射係数は1に近い。これは超音波と全く逆の特性であり2),これを有効に生かすことが本研究の着眼点でもある。本研究はこの体表反射に注目したものであるが,体表反射波を利用した呼吸3,4)や心拍動5,6)の非接触生体計測が現在までに幾つか試みられている。実用化を目指した頸動脈センシングの研究もなされているが7,8),その単一信号を用いる位相干渉法ではセンサと生体の距離により検出感度が変化してしまうため,生体情報の定量的解析,評価には問題があった。すでに著者らは,この感度の距離依存性を克服するため荒井,鈴木らの提案した二位相信号法を用いたマイクロ波ドプラセンサ9)を臨床応用し,生体に直接触れることなく非接触的に生体微小変位の検出を試み,従来の接触型トランスデューサーで得られた頸動脈波,頸静脈波,心尖拍動図に近似した信号が頸部,心尖部で得られたことを報告したが10),今回さらに臨床応用し,非接触非侵襲的大動脈脈波伝搬速度計測,左室前壁壁運動異常の検出を行った。
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