Japanese
English
特集 心機能検査
大動脈脈波速度検査法
Estimation of Aortic Sclerosis by Measuring Pulse Wave Velocity (PWV)
吉村 正蔵
1
,
須階 二朗
1
,
岡村 哲夫
1
,
長谷川 元治
1
,
林 哲郎
1
,
中村 葉二
1
,
大塚 文輝
1
,
白川 幹郎
1
,
藤井 清史
1
,
青木 一雄
1
Shozo Yoshimura
1
,
Jiro Sugai
1
,
Tetsuo Okamura
1
,
Motoharu Hasegawa
1
,
Tetsuo Hayashi
1
,
Yoji Nakamura
1
,
Fumiteru Otsuka
1
,
Mikio Shirakawa
1
,
Kiyoshi Fujii
1
,
Kazuo Aoki
1
1東京慈恵会医科大学第1内科学教室
11st Department of Internal Medicine, The Jikei University, School of Medicine
pp.101-107
発行日 1970年1月15日
Published Date 1970/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202113
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はじめに
近来,動脈硬化症は癌以上に死亡率の高い重要な疾患となり,我国における40歳以上本疾患による直接死因は1966年人口動態統計1)によると,34%に達する。しかし,本疾患の診断は現在のところ,いずれも臨床症状を主とした間接あるいは定性的判定にとどまり2),動脈壁そのものの性状を知りうる検査法はきわめて少ない。動脈硬化症はレオロジーの立場からみると,動脈壁弾性度喪失を最大の要因とする。我々はこの観点から大動脈硬化度の定量的測定法として,脈波速度pulse waveによる方法をとりあげた。動脈硬化の進展および分布には個体別,臓器別特異性を認めるが,大動脈硬化は脳動脈,冠動脈,腎動脈,四肢動脈硬化等に先行する3)4)5)6)。したがって大動脈硬化の判定は臓器動脈硬化の予知手段として,臨床上の意義は大きい。
本稿では,大動脈硬化度判定としての,脈波速度測定法について述べる。
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