特集 循環機能の正常値
脈波の伝播速度
沖野 遙
1
,
中西 昌美
2
1北海道大学応用電気研究所
2北海道大学医学部第1外科
pp.1001-1004
発行日 1966年11月15日
Published Date 1966/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201696
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動脈管弾性や血流量算出の指表として脈波伝播速度(P. W. V., foot to foot-or group-velocity)または時間を求めるのに用いる脈波には,血管内圧脈波と血管壁脈動波が混用されている。この場合にP. W. V. =√E・a/2rρや他の理論式をこの指標の根拠とするには両脈波の性質の差や,脈波を単一周波数成分とみなすなどの基本的仮定に留意されたい1)〜3)7)13)16)18)20)。ただ脈波上行脚立上り起始部に限った時間計測には,両脈波の異質性はいっそう測定誤差の大きい伝播距離測定のために不分明になり,諸家の正常値のバラツキは主としてこの種の原因による。最近の研究は上述P. W. V. よりも脈波波形の高調波成分の伝播も考慮したphase-orapparent phase-velocityが血管弾性や脈動抵抗と関係する点を示している9)〜12)。
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