Japanese
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特集 セロトニンと循環器疾患
セロトニンと不整脈
Serotonin and Arrhythmia
笹野 哲郎
1
,
平岡 昌和
1
Tetsuo Sasano
1
,
Masayasu Hiraoka
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所成人疾患循環器病
1Department of Cardiovascular Diseases, Medical Research Institute, Tokyo Medical and Dental University
pp.581-586
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902484
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はじめに
セロトニン(serotonin,5—hydroxytryptamine)は,主として消化管より産生される(90%が小腸親クロム細胞より産生される)ホルモンである.他の主要な貯蔵部位は,脳・血小板・松果体である.セロトニンは主として血小板により運搬され,その受容体は諸臓器に広範に分布している.また,神経伝達物質として脳内でも産生されているが,セロトニンは血液—脳関門を通過しないため,中枢神経においては,セロトニン産生と代謝は他臓器のそれとは異なっている.心臓に到達,作用するのは血小板内に貯蔵されたセロトニンが血小板凝集により放出されたものと考えられる.
本稿では,心房筋に存在するセロトニン受容体を介する作用を中心に概説する.
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