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特集 心房細動とQOL
心房細動とQOL
The Quality of Life in Patients with Atrial Fibrillation
庭野 慎一
1
,
吉田 徹
1
Shinichi Niwano
1
,
Toru Yoshida
1
1北里大学医学部内科学II
1Department of Internal Medicine, Kitasato University School of Medicine
pp.1179-1185
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902391
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はじめに
心房細動は臨床的に最も頻繁に遭遇する頻脈性不整脈であり,その有病率は60歳以上では1〜3%にのぼる.心房細動は左房内血栓形成を介した全身塞栓症,特に脳梗塞を引き起こすことによって致死的病態を来し得るため,抗凝固療法による塞栓症予防治療が重要であるが,その頻拍自体は特殊な病態を除けば一般に致死的な発作とはならないため軽視されがちである.しかし,突発的な発作の出現は患者に不快感と不安をもたらし,そのストレスはさらに心房細動発作を誘発しやすくするという悪循環を形成するため,日常の行動が大きく制限を受ける場合もある1,2).
本稿では,心房細動がその症状によるストレスや治療を介して日常生活の質quality of life(QOL)に与える影響を中心に,現状における心房細動治療の概念について概説する.
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