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特集 呼吸と循環のパソコンソフトウェア
呼吸器疾患学習の患者シミュレーション
Patient Simulations for Learning Respiratory Disease
大森 久紀
1
Hisanori Ohmori
1
1名南病院内科
1Department of Internal Medicine, Meinan Hospital
pp.971-976
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902360
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はじめに
初めて患者シミュレーションソフトなるものを入手したのは約10年前,「WINICU」1,2)であった.パソコン上で発生した呼吸不全患者の呼吸管理をしていく画期的な教育(ゲーム)ソフトであったが,製作されたのは1988年で,まだ音声や画像がなく文字情報だけのシミュレーションであった(それでも当時は感激して遊んで=学習していた).
その後のコンピュータ技術の進歩はめざましい.なかでもバーチャルリアリティ技術の医療への応用は注目すべきで,仮想気管支鏡を教育や臨床に応用する研究なども既に報告されている3).ゴーグルのようなディスプレイをはめた研修医が仮想現実の世界で手術や気管支鏡のトレーニングをする日は遠からずやってくることだろう.
一方,身近なところをみてもパソコンは急速に普及し,高性能化してきた.家庭用のシミュレーションゲームソフトでみられるように,マルチメディアなどかつて高度であった機能もあっという間に一般化してしまった.このような状況を背景に,ここ数年の問に医学領域でも「SIM ANES—THESIA」「SIM COEUR」など本格的な教育用患者シミュレーションソフトが市販されるようになってきた.これらの本格的ソフトは他稿で紹介されるので,本稿では遊び感覚で手軽に学習することを目的に開発した自作のフリーソフト「バッチリ気管支鏡」の紹介を中心に,パソコンソフトによるシミュレーション学習について考察する.
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