Japanese
English
綜説
レーザーによる心筋内血流改善TMRとDMR
Myocardial Revascularization by LASER: TMR and DMR
門田 一繁
1
,
光藤 和明
1
Kazushige Kadota
1
,
Kazuaki Mitsudo
1
1倉敷中央病院循環器内科
1Department of Cardiology, Kurashiki Central Hospital
pp.159-165
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902240
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はじめに
現在,虚血性心疾患の血行再建術である冠動脈interventionと冠動脈バイパス術は技術の向上や新しいdeviceの進歩に伴い初期成績が向上し,適応もそれぞれ拡大してきている.しかし,一部の患者では,病変がびまん性であったり血管径が非常に細いために,冠動脈interventionも冠動脈バイパス術も適応とならず(no option patient),薬物療法でも狭心症症状がコントロールできないことがある.このような症例に対して,新たな治療法として,心筋にレーザーで小孔(channel)を開け,心筋虚血の改善を図る治療法(Transmyo—cardial Revascularization,TMR)が行われるようになってきている.この方法には,外科的に心外膜側から左室までの貫通性のchannelを形成する方法(外科的TMRあるいはTMR)とカテーテルを用いて左室腔よりレーザーを直接照射してchannelを形成する方法(経皮的TMRあるいはDMR,Direct Myocardial Revasculari—zationあるいはPMR,Percutaneuos MyocardialRevascularization)とがあり,その臨床効果を示す成績が報告されてきている1〜5).本邦でも外科的TMRについてはHeart laserの臨床治験が終了し,その成績が既に報告され6),経皮的TMRではDMRが現在,臨床治験が進行中という状況である.
本稿では,これらレーザーを用いた虚血性心疾患の新しい治療法について,現状と問題点について概説する.
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