Japanese
English
綜説
呼吸器感染症のガイドラインをめぐって
Guidelines for Community-acquired Pneumonia
松島 敏春
1
Toshiharu Matsushima
1
1川崎医科大学呼吸器内科
1Division of Respiratory Diseases, Department of Medicine, Kawasaki Medical School
pp.149-158
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902239
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肺炎の重要性
日常臨床上肺炎は極めて重要な疾患である.全世界的にみると死亡原因の40%近くが感染症であり,そのなかで一番多いのは呼吸器感染症であるとされている.ちなみに,肺炎による死亡は毎年500万人,結核による死亡が300万人とされている.肺炎は死因第3位で,全死亡の8.5%をも占めている1).
肺炎の発症頻度に関しては,米国では年間1,000人につき12名の割合であり,350〜400万人が肺炎に罹患し,60万人が入院するとされている2).死因順位は第6位に位置し,年間必要経費は230億ドルとされている.しかも,ある報告によると1979年から1994年にかけて肺炎による死亡は59%増加し,1992年の肺炎死亡者の89%は高齢者であったとされている3).高齢者に関しては,65歳以上のユタ州在住者の年間肺炎発症率は1,000人につき33.6と増加し,入院率が27.4%,30日以内の死亡が5.9%であったと報告されている4).
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