今月の主題 抗生物質の使い方
抗生物質投与の注意事項
抗生物質の副作用と対策
北見 啓之
1
,
中島 恒子
1
,
清水 秀剛
1
,
浪久 利彦
1
1順天堂大学医学部・消化器内科
pp.1218-1221
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900306
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近年の抗生物質の開発にはめざましいものがあり,実際の診療にあたってその選択に戸惑うことも少なくない.しかも,これらの抗生物質には,それぞれ異なる薬理学的特性と多種多様な副作用があり,使用する際にその特性を考慮しない場合には,有害作用のみが現れて薬効が期待できない場合さえある.
抗生物質の副作用はその成立機序により,①抗菌作用が発揮された結果と考えられる副作用(菌交代症など),②抗菌作用機序,あるいは毒性に由来する副作用(肝毒性,腎毒性など),③薬剤アレルギーに由来する副作用(薬剤アレルギー性肝障害など),などに分類される.各抗生物質の代表的副作用については表に示したが,本稿ではこれら各種の成立機序による代表的な臓器障害を中心にして述べる.
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