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特集 呼吸器疾患のバイオマーカー
BALと気管支生検―気管支喘息を中心に
Bronchoalveolar Lavage and Endobronchial Biopsy
星野 誠
1
Makoto Hoshino
1
1聖マリアンナ医科大学呼吸器・感染症内科
1Division of Respiratory and Infectious Diseases, Department of Internal Medicine, St.Marianna University School of Medicine
pp.575-583
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100400
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はじめに
呼吸器疾患において,炎症気道から直接情報を得ることが病態の解明,診断,治療において重要な意義を持つ.気道の炎症病態を研究する方法として気管支鏡を用いてBAL(bronchoalveolar lavage)や気管支生検を行い,健常者と比較し細胞や組織学的変化,さらに細胞活性化マーカー,ケミカルメディエーター,サイトカインなどを測定し検討する手段が従来からある.BALは特にびまん性肺疾患,肉芽腫性肺疾患,腫瘍性肺疾患,肺感染症などに用いられてきた.気管支生検は,得られた検体より病理・免疫・遺伝子学的手法を用いて腫瘍,炎症,免疫学的病変などを検討することが可能である.さらに近年では,気道の炎症性疾患である気管支喘息やCOPDについてもこれらの手法は研究的ニュアンスが強いが臨床応用されている.
本稿では,まずはじめに気管支鏡,BAL,気管支生検の手技を解説し,喘息とCOPDの所見について簡単に触れ,次に主に気管支喘息に焦点を絞って気道局所における炎症に関与する各々の細胞について述べ,最後に組織学的変化について概説する.
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