Japanese
English
Bedside Teaching
AII拮抗薬の使い方
Treatment with Angiotensin II Receptor Antagonist
小林 正和
1
,
矢野 雅文
1
,
松崎 益德
1
Masakazu Obayashi
1
,
Masafumi Yano
1
,
Masunori Matsuzaki
1
1山口大学医学部第二内科
1Second Department of Internal Medicine,Yamaguchi University School of Medicine
pp.927-931
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901963
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ACE阻害薬を用いた大規模臨床試験にて心臓や腎臓に対する臓器保護効果が証明され,レニン-アンジオテンシン系(R-A系)の阻害が重要であることが明らかとなったが,最近同様にR-A系を阻害するアンジオテンシンIIタイプⅠ(AT1)受容体拮抗薬が発売されその効果に注目が集まっている.AT1受容体拮抗薬が期待される理由の一つはACE阻害薬の投与にて高率に認められる空咳がAT1受容体拮抗薬では血中ブラジキニン濃度は上昇しないため生じにくいことである.二っ目は,心臓など局所のアンジオテンシンIIはACE以外の酵素(キマーゼなど)からも産生されることが明らかとなりACE阻害薬よりAT1受容体拮抗薬はAT1の作用をより阻害すると考えられることである.ACE阻害薬とAT1受容体拮抗薬の心血管や腎臓に対する臓器保護効果の差異に関しては,現在進行中のAT1受容体拮抗薬を用いた大規模臨床試験の結果が待たれる.
本稿ではR-A系阻害薬の使い方に関して,主に大規模臨床試験の結果に基づき概説する.
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