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綜説
冠動脈内放射線療法による再狭窄予防—近年の動向
Irradiation and Postangioplasty Restenosis:Recent overview
石綿 清雄
1
Sugao Ishiwata
1
1虎の門病院循環器センター内科
1Department of Cardiology,Cardiovascular Center,Toranomon Hospital
pp.907-916
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901961
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はじめに
近年,インターベンションの分野で血管内放射線療法が注目されている.放射線は従来より再発性翼状片,異所性石灰化,ケロイドなどの良性増殖性疾患の治療として使用されてきた背景がある.特に,低線量電離放射線はin vitroにおいて細胞複製を抑制し,細胞外matrixの産生抑制とDNAの障害を来すことでcytostaticに作用することが知られており,増殖する細胞により効果的に作用する.その特性を生かして,1990年代初頭より多くの動物実験が行われ,再狭窄を抑制することが示された.一方,放射線が再狭窄治療に有効であることより,再狭窄形成の機序が創傷治癒過程に近似するという新たな考えが生じた.すなわち,瘢痕(ケロイド)形成としての内膜増殖と,瘢痕収縮としてのnegative remodelingであり,再狭窄は創傷治癒のovershootingであるという概念がある.
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