特集 プライマリ・ケアでみる睡眠の悩み
総論:睡眠治療のアップデート
睡眠医療にかかわる近年の動向
栗山 健一
1
1国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部
pp.372-375
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024040002
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はじめに
睡眠障害は,さまざまな病態生理を有する疾患から構成される障害群である.2023年 に改訂された最新の国際分類である睡眠障害国際分類(International Classification of Sleep Disorders,Third Edition,Text Revision:ICSD-3-TR)1)では,構成疾患数は 60を超え,心理・行動に主病態を有する疾患,呼吸機能に主病態を有する疾患,神経・ 筋機能に主病態を有する疾患など,睡眠-覚醒制御自体もしくは睡眠中に症状が発現する 疾患が包含されている.
オーストラリアの地域住民を対象とした調査では,中年成人(45~65歳)の約43%2), 若年成人(22~24歳)の約42%3)が,何らかの睡眠愁訴を有していると報告されている. わが国では,睡眠の悩みの主たる相談先は診療科によらないかかりつけ医であるため,有 病率の高い睡眠障害に関しては,あらゆる医師が基本的な病態と診療方針を理解しておく 必要がある.さらに,当該領域における医学的トレンドに関しても把握しておくことが望 ましい.
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