Japanese
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Bedside Teaching
急性肺損傷(ALI)と急性呼吸促迫症候群(ARDS)の異同
Similarities and Differences of Acute Lung Injury (ALI) and Acute Respiratory Distress Syndrome (ARDS)
金沢 実
1
Minoru Kanazawa
1
1埼玉県立循環器・呼吸器病センター
1Saitama Cardiovascular and Respiratory Center
pp.169-174
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901847
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はじめに
今日広く受け入れられている1994年のアメリカー欧州合意カンファレンスの定義では,Acutelung injury(ALI:本稿では急性肺損傷と呼ぶ)と急性呼吸促迫症候群(ARDS:acute respiratorydistress syndrome)は同一の症候群であり,その違いは低酸素血症の程度の違いとされている(表1)1).ARDSは臨床例における症候群名として定着しているものの,ALIは動物実験における非特異的な肺の傷害に対して広い意味で用いられてきた経緯もあり,語感としても全く同一とはいえない.
本稿では,まずARDSとALIの概念と用語がどのように変遷してきたかを簡単に振り返り,次いで臨床例のALI/ARDSは他の呼吸不全とは異なる独立した一つの症候群か,さらに動物モデルとして作成された肺の傷害(ALI)と臨床例のARDSの相違などに関して両者の異同を述べてみたい.
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