Japanese
English
Bedside Teaching
喘息管理におけるPeak Flow
Peak Expiratory Flow in Management for Asthma
田村 弦
1
Gen Tamura
1
1東北大学医学部第1内科
1The 1st Department of Internal Medicine Tohoku University School of Medicine
pp.159-163
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901419
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はじめに
ピーク・フロー(Peak Expiratory Flow:PEF)とは,被験者が呼出できる最大気流速度を意味し,最大吸気位からの最大呼気フロー・ボリューム曲線において,初期に出現する尖った瞬間的なフローとして表現される.フロー・ボリューム曲線は,肺気量が肺活量の100〜80%のいわゆる努力依存性部分と80%以下の努力非依存性部分に分離されるが,PEFは前者の努力依存性部分に位置し,被験者の努力によって異なる値をとることはよく知られた事実である.図1にわれわれが行った各種の肺機能検査のcoefficient of variationを示したが,この結果からもわかるように,気道狭窄の指標として用いられる強制呼出1秒量に比べPEFのcoefficient of variationは約2倍であること,またPEFは主に中枢気道の狭窄に依存する指標1,2)であることより,これまで呼吸生理学的にはあまり重視されてこなかった.さらに,図2に示すように,これまでの気管支拡張薬を主体とした治療では,喘息患者のPEFの変動を十分管理できなかったことより,喘息管理におけるPEFの有用性は長い間過小評価されてきた.
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