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OPA(orphan peak analysis)法による遺伝子変異の検出
神谷 重樹
1
,
服部 正平
2
1塩野義製薬(株)診断医学部
2東京大学医科学研究所・ヒトゲノム解析センター
pp.78-79
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901789
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一般に,遺伝子解析における多型,変異の検出,同定は現在ゲノム解析のみならず,臨床面でも遺伝子疾患の病因解析,確定診断にとって重要である.遺伝病や癌に関連する遺伝子の最終的な同定や診断は正常のDNA塩基配列との比較から結論される.したがって,患者の染色体DNAからPCRにより増幅させたDNA断片を解析し塩基置換,欠失,付加などの変異を捜し出す作業が必要となる.未知の変異を見つける方法としては,SSCP(single strand conformation polymorphism)法1)およびDGGE(denaturing gradient gel electrophoresis)法2)が簡便であり,現在最も盛んに用いられているが,いずれの検出方法も変異部位の最終的な同定は塩基配列の決定を必要とする.
自動DNAシークエンサーによる変異の検出は迅速で正確である.この方法では塩基配列を自動シークエンサーを用いて決定し,その配列を正常の配列と1対1で比較することにより変異を検出する.ヘテロ置換は重なった2つのピークにより判断される.しかし,この方法では同時に大量のサンプルを処理することは困難であり,反応にアーチファクトが生じたときに問題を生じる.以上の問題点を克服するために,筆者らは自動シークエンサーの特徴を活かした新しい塩基置換検出法を開発した3).
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