Japanese
English
綜説
トロンビンと血管トーヌス
Thrombin and Vascutar Tonus
若林 一郎
1
,
羽竹 勝彦
2
Ichiro Wakabayashi
1
,
Katsuhiko Hatake
2
1兵庫医科大学衛生学
2奈良県立医科大学法医学
1Department of Hygiene, Hyogo College of Medicine
2Department of Legal Medicine, Nara Medical University
pp.1053-1061
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901348
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はじめに
トロンビンは血漿中でのフィブリノーゲンからフィブリンの形成,凝固V,VIII,X因子およびプロテインCの活性化,さらに血小板や血管内皮細胞の刺激などの作用を有するセリンプロテアーゼで,主にhemostasisに関与していることは周知のとおりである.一方,トロンビンは血管壁において直接および間接的に血管平滑筋に作用し,血管緊張の調節にも関与する.この作用は止血機構や血栓症時の虚血において重要であるが,そのメカニズムおよび意義の詳細に関しては意外に注目されていない.そこで本綜説では主にトロンビンの血管収縮作用について,そのメカニズムを中心に概説する.
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