増大号 極める!呼吸機能検査 患者を診る力が成功のカギ
7章 ガス洗い出し法(1回呼吸法)の失敗例とその対応
ガス洗い出し法(1回呼吸法)の基本
川邊 晴樹
1
1天理よろづ相談所病院臨床検査部
キーワード:
単一呼出曲線
,
肺内ガス分布
,
⊿N2
,
クロージングボリューム
,
CV
Keyword:
単一呼出曲線
,
肺内ガス分布
,
⊿N2
,
クロージングボリューム
,
CV
pp.272-278
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530020272
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はじめに
ガス洗い出し法(1回呼吸法)におけるレジデントガス法(resident gas method)とは,100%酸素(O2)を吸入して指標となる窒素(N2)ガスを肺から洗い出すことによって吸気の不均等分布を検出する呼吸機能検査である.
1回呼吸法で得られる洗い出し曲線を単一呼出曲線(single breath washout curve)と呼び,単一呼出曲線における第Ⅲ相の傾き(⊿N2)は肺内ガス分布を表し,第Ⅳ相のクロージングボリューム(closing volume:CV)は肺底部における末梢気道の閉塞を反映している.肺内ガス分布とは,どれだけスムーズに肺胞に酸素が入っていくかを表す.著しい閉塞性換気障害や局所的な気道閉塞があると肺内のガスは不均等に分布し,その領域は換気血流比の不均等が起きる.またCVは,スパイロメトリーでは捉えられない直径2mm以下の末梢気道の異常(small airway disease)の検出に有用とされている.
本稿では,1回呼吸法において国内で最も一般的に用いられているレジデントガス法について説明する.
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2028年2月29日まで)。
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