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第4章 循環器系に作用する薬剤
[降圧薬]
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
奥村 貴裕
1
1名古屋大学医学部附属病院 重症心不全治療センター/循環器内科
pp.661-667
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_661
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・アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は,アンジオテンシンⅡの生成を抑制し,降圧,体液貯留軽減のみならず,臓器保護作用も有する.
・高血圧症,慢性心不全が代表的な適応疾患である.
・高血圧患者では,左室肥大,左室駆出率の低下した心不全(HFrEF),心筋梗塞後,蛋白尿・微量アルブミン尿を有する慢性腎臓病例で,本剤が積極的適応となる.
・慢性心不全では,HFrEF治療の基本薬の一つとして位置づけられる.
・代表的な副作用として,乾性咳嗽,高カリウム血症,腎機能障害,血管神経性浮腫があげられる.近年,心不全診療においては,血清K高値例でも,K吸着薬を併用しながらの継続使用が推奨されている.
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