今月の主題 癌と免疫
免疫強化剤による治療
BCG生菌とBCG-CWS
東 市郎
1
1北大免疫科学研究所
pp.1016-1017
発行日 1979年7月10日
Published Date 1979/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215957
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BCG生菌
現在,BCG生菌はヒト癌の免疫療法に最も広く用いられ,対象腫瘍も肺癌,急性白血病,悪性黒色腫,消化器癌などほとんどすべての癌に及んでいる.
悪性黒色腫1970年,Mortonらは悪性黒色腫患者8例にBCG生菌を腫瘍内投与し,BCG投与局所の腫瘍の退縮および一部の症例において非投与局所の腫瘍の退縮を認めた.BCG生菌の腫瘍内投与によって腫瘍の退縮が認められた患者は,すべて宿主の細胞性免疫機能が極めて良好であることを指摘している.その後Mortonらは151例にのぼる悪性黒色腫に対するBCG生菌を用いる免疫療法の結果から,転移が皮内に限局している場合および外科的に大きな転移病巣を除去した場合,腫瘍の退縮や生存期間の延長が期待できるが,転移巣が皮下,内臓に及んでいる場合,免疫療法の効果が期待しがたいことを述べている.Guttermanらは化学療法剤(DTIC)とBCG生菌との併用が効果的であったと述べている.
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