Japanese
English
装置と方法
蛍光色素法による複数の単離心筋細胞内イオン濃度の同時測定
Simultaneous Measurement of Intracellular Ion Concentrations in Isolated Myocytes
林 秀晴
1
,
寺田 肇
2
,
佐藤 洋
2
,
中村 拓郎
2
,
加藤 秀樹
2
,
山崎 昇
2
Hideharu Hayashi
1
,
Hajime Terada
2
,
Hiroshi Satoh
2
,
Takurou Nakamura
2
,
Hideki Katoh
2
,
Noboru Yamazaki
2
1浜松医科大学光量子医学研究センター
2浜松医科大学光量子医学第三内科
1Photon Medical Research Center, Hamamatsu University School of Medicine
2The Third Department of Internal Medicine, Hamamatsu University School of Medicine
pp.159-164
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901005
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はじめに
細胞内Ca2+は種々の細胞機能において重要であるが,特に心筋においては収縮や各種のCa2+依存性蛋白の活性化に関与しているため,細胞内Ca2+濃度([Ca2+]i)を測定することが細胞機能の解明において重要である1).[Ca2+]iの測定にはイオン選択性電極やCa2+感受性発光蛋白(ae—quorin),NMR法などが用いられてきたが,fura−22)を代表とするCa2+感受性蛍光色素法は感度が高く,単一心筋細胞内イオン濃度を生理的条件で連続的に測定可能である3,4).一方,[Ca2+]i,細胞内pH(pHi)および細胞内Na+濃度([Na+]i)は,Ca2+-H+interaction,Na+—H+交換,Na+/Ca2+交換を介してお互いに関連している5).また,fura-2などの蛍光色素とCa2+との解離定数(Kd)はpHiにより影響を受けるため6),特にアシドーシス溶液灌流時や虚血時の細胞内イオン測定時には,同時にpHiを測定することが必要となる.
われわれは,各蛍光試薬の波長特異性を利用して,複数の蛍光色素を同時に負荷して単一心筋細胞内における2種類のイオン濃度を測定することが可能であることを報告した7,8).本稿ではその方法の解説と注意点について述べる.
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